コンデンサと抵抗の電位差問題

医用工学

問題

今回は第74回診療放射線国家試験「医用工学」よりコンデンサと抵抗の電位差問題を解説していきます。

なお、問題文は厚生労働省HPより引用しております。

午前76

図の回路でa-b間の電位差[V]はどれか

1. 0

2. 1

3. 3

4. 5

5. 6

解説

この問題はコンデンサと抵抗器の電位差の問題です

コンデンサではQ=CVより「電気量」、抵抗器ではV=RIより「電流」と少し電圧を導き出す工程が異なります

このような異なる素子間での電位差を求める場合には素子を合成して1つの素子として考える簡単に導き出せます

解く手順

問題を解く手順をいくつかのStepに分けて考えていきましょう

  • Step1:各素子を合成する
  • Step2:回路を分離して各々の電荷の流れを求める
  • Step3:Step2を用いて対象素子間の電圧を求める
  • Step4:求める電位差を解く

それでは各々のStepに分けて問題を解いていきましょう

Step1:各素子を合成する

まず初めに各素子を合成して1つの素子とみなす作業をしましょう

回路よりコンデンサ及び抵抗器の合成については直列接続であるとわかります

直列接続コンデンサの合成容量

$$\frac{1}{C}=\frac{1}{C_1}+\frac{1}{C_2}$$

直列接続抵抗器の合成抵抗

$$R=R_1+R_2$$

それぞれの合成抵抗・合成容量を求めましょう

抵抗はR=10+10より合成抵抗Rは20Ω

コンデンサは\(\frac{1}{C}=\frac{1}{30}+\frac{1}{20}\)でこれを計算すると合成容量Cは120μF

Step2:回路を分離して各々の電荷の流れを求める

合成容量・合成抵抗が求められて所で今度は各回路の電荷について考えていきます

コンデンサではQ=CVより電荷量を、抵抗ではV=RIより電流を求めましょう

コンデンサ回路:Q=12×10より120μC

抵抗回路:\(I=\frac{10}{20}\)より0.5A

Step3:Step2を用いて対象素子間の電圧を求める

各々に流れる電荷(電流・電気量)を把握したところで、次はそれを用いて各素子間にかかる電圧を求めていきましょう

上図よりコンデンサ30μF間の電圧をVb、抵抗10Ω間の電圧をVaとして計算を行います

コンデンサ回路:\(V_b=\frac{120}{30}\)より4V

抵抗回路:\(V_a=0.5×10\)より5V

Step4:求める電位差を解く

Step3より点a,bにおける電圧を求めることができました

求める問いは「a-b間の電位差」であるので

$$V_a-V_b=5-4=1$$

従ってa-b間の電位差は1Vであり選択肢は【2】になります

お疲れ様でした

コメント

タイトルとURLをコピーしました